【読売新聞】クローズアップ現代、NHK「やらせ」否定
2015年04月28日 09時06分
報道番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑で、NHKは27日、最終報告書を月内に公表する方針を固めた。
過剰演出の存在を認める一方で、NHKのガイドラインにある「やらせ」とは認定しない方針。また、担当記者や上司らを懲戒処分するほか、籾井勝人会長ら複数の役員が報酬の一部を自主返納する方針も分かった。責任を問われる関係者は十数人に及ぶという。
問題の番組は、昨年5月14日の「クローズアップ現代」で放送された「追跡“出家詐欺”〜狙われる宗教法人〜」。多重債務者が、ブローカーを介し出家して名前を変えることで、融資などをだまし取る手口を紹介した。番組でブローカーとされた男性が3月、「やらせがあった」と週刊誌で告発。NHKは4月3日に調査委員会を設置し、関係者から事情を聞いていた。
9日の中間報告では、出家詐欺について男性が多重債務者に指南する場面の撮影後、記者が「お金の工面のところのやり取りがもうちょっと補足で聞きたい」などと2人に注文したことや、知人である多重債務者を記者が追いかけて初対面のようにインタビューする部分などで、「過剰な演出」の可能性が指摘されていた。
2015年04月28日 09時06分
【朝日新聞】NHKの過剰演出認める 「クロ現」問題、最終報告へ
後藤洋平、岩田智博2015年4月28日07時38分
昨年5月放送のNHK「クローズアップ現代」で「記者の指示によるやらせがあった」と指摘されている問題で、NHKの調査委員会は最終報告を取りまとめ、28日に公表する方針を固めた。記者が詐欺の活動拠点を突き止めたかのような番組の構成などについて、過剰な演出があったと認める一方で、関係者の言い分が食い違うことから、演技指導などの意図的なやらせや、事実のねじ曲げがあったとの認定には至らなかったという。
やらせの有無、言い分対立 NHK「クロ現」中間報告
複数のNHK関係者によると、調査委は27日に会合を開き、最終報告書の内容について外部委員の弁護士ら3人の了解を得た。記者のほか籾井勝人会長や関係理事らの処分も検討するといい、28日のNHK経営委員会に報告したうえで、公表する見通し。
番組は、出家して戸籍名を変えることで債務記録の照会を困難にする「出家詐欺」の特集。多重債務者に出家をあっせんするブローカーとして登場した大阪府内の男性が、「私はブローカーの経験はなく、記者にやらせ指示を受けた。憤りを感じる」として、NHKに対して訂正を求める申入書を提出し、21日には放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審理を申し立てている。(後藤洋平、岩田智博)